第3回PTA会長等研修会(学校PTA支援事業)中央ブロック担当

本部役員さんや次期役員さんも含めた「会長研修会・役員等研修会」が、2月1日(土)に吾妻公民館で、61名の参加のもと開催されました。

上のテーマをもとに、伊奈町立小針小学校PTA会長の加藤さえ子さんと前会長の本木裕太さんを講師にお迎えしました。以下、講演の中で印象的な部分を掲載します。

「仕事が休めない」「未就学児がいる・親の介護があるから参加しづらい」などといった声に加え、「強制感がある」「やらされている感」ややらない人への不公平感など、様々な問題が小針小にもありました。

「このまま引き継いで良いのか?」という思いが強くなり、また同じように考える同志が増え、「PTA変革」に踏み出したそうです。
また、伊奈町には少子化の波も押し寄せており、「負のスパイラルを幸せスパイラルに変換すべく」、2016年後半より「PTA変革」が進められました。

まず、「PTAに関するアンケート調査」が2017年末に行われました。その結果、見えてきた問題点は次の3つにあげられました。

① やらないといけない=義務感
戦後と現在では女性の就業率が高く、専業主婦が少ない。

② やらされている=強制感
「こうやらないとならない」といった縛りが多く、またそれを変えた時の風当たりや批判におびえ、従来通りを選択。よって自主性がなくなる。

③ やらない(出席しない)人がいる=不公平感
一人一人の家庭環境が違うのは当然であり、努力はすれども公平にとは必ずしもいかない。

小針小学校PTAの変革の第一歩は、PTAは任意加入のボランティアだということを周知しつつ、「できればやりたくない」といった負のスパイラルから「やっても良いかも」から、自主的な幸せスパイラルへの気持ちの改革に取り組んだことです。

4つのポイントをあげられました。
① やらなくても(休んでも)良いという助け合いの心を持てるようにする。家庭(子ども)や仕事を第一に、出来るときに出来ることをやる。会員同士が補う心の余裕を持つことで、円滑になる。更には、そのことが、一番の子どもの手本となる=幸せスパイラルにつながる。

② 無理なプランニングはせずに活動する。(部会の開催回数の見直し、イベント内容の見直し他)

③ 何部が楽か?ではなく、何部が自分に合っているか?で部を選び活動する。そのために、昨年と今年の活動内容の違い、また来年へ向けてのスリム化など、情報開示を度々行う。更にはフローチャートを作り、自分に合う部を選んで活動してもらう。

④ 活動の目的や意図を理解し、更には「過去のやり方」にこだわらずに、やりたいこと・やってみたいことを出来る環境にしていく。

2016年の活動をピックアップし、その活動が開始した時期、経緯を調べ、良かった点・悪かった点を徹底的にヒアリングされたそうです。

2017年は、見直し後の活動を振り返り、ヒアリングを行い、さらにPTAに関するアンケートを詳細に行い、分析しました。このヒアリングと分析に基づき「あった方が良い活動」「どちらでも良い活動」「なくても良い活動」「やり方を変えて残す活動」に振り分け精査しました。

2018年に、「なくても良い活動」を極力廃止しました。2019年は、部の統廃合とさらなるスリム化を進めています。この経過のお話で、気になったポイントをあげます。

① やっていることを常に情報として開示すること
知らなければ、しょせんは他人事になります。アンケートの集計結果の公表と今後の方向性の発表は2か月以内が勝負。

② これまでつらくてもPTA活動をしてきてくれた方々への感謝の気持ちをいつも持つこと
何かを変えるときには、それまでやっていた理由をきちんと調べ、そうした活動に敬意を表したうえで、新しい一歩に踏みだすことが大切です。加藤さんは、この話し合いに苦しみながらも、感謝の気持ちは絶対に失わなかったとおっしゃっていました。

③ 変わったことをわかりやすく伝える
所沢市の「見える化」プロジェクトと同じように、1年間の活動を一覧表にして、毎年の変革の様子をわかりやすく伝えます。

イメージアップ作戦

イメージアップ作戦として、「総会」を身近にするために、普段着参加で、議案事項は自分の言葉で発言してもらい、未就学児用のキッズスペースを会場中央に置くなどされました。

かしこまった「手紙」をチラシ風に変え、アンケートでなくしたくない行事ナンバーワンの 「バザー」を一新名前から一新し、子どもたちや地域の方々に楽しんでもらえる内容に変え、地域に開くための努力も続いています。

ハロウィンも近いので仮装も登場するそうです。

小針小では、今もPTA変革が続けられています。

加入申込書の一新や、グループウェアを活用し、広報紙を廃止し、ブログ形式のタイムリーな発信へと変えました。

専門部の統廃合と委託事業の精査、伊奈町のPTA連合会の適正化についても議論が進められています。最後に加藤会長のお言葉です。

4年間にわたる変革は、先生たちが変革を受け入れてくれ、志の同じ仲間が集まったからできました。

「この活動を通して、先生方やPTAで活動されてきた先輩方、そして地域の方々と、たくさんの方々にお話を伺い、子どもを支える様々な取り組みや歴史を知ることができました。それは、時代に関係なく紡がれているもので、地域全体で子どもたちを見守って頂いているという事実です。 今後も私たちPTAは、学校や地域とともに、安心・安全に子どもたちが成長していくことが出来るよう努力していきます。」